TWS(完全ワイヤレスイヤホン)の分解

技術調査

皆さんはTWS(完全ワイヤレスイヤホン)利用していますか? TWSは Bluetooth接続にてスマホと接続することで、従来 有線だったイヤホンケーブルを無線にした製品です。
今回は長年使用したTWSの収納ケースの中身を分解してみます。

推定回路図も引いて 充電動作モードの推定もしていきす。

分解するTWS の スペック

今回分解する完全ワイヤレスイヤホン のスペックを確認していきましょう。TW-7000は GLIDiC Sound Air から出ている 完全ワイヤレスイヤホンです。

外観

TW-7000 外観 (イヤホンと収納ケース)

写真は イヤホンLRとイヤホンを収納するケースです。イヤホンだけでなく収納ケースにもバッテリーが内蔵されており、イヤホンをケースに収納したとき 収納ケースからイヤホンへ充電されます。この仕組みにより 小さいイヤホンでも 動作可能時間を長く確保することができます。

至って普通の完全ワイヤレスイヤホンです。イヤホン本体の特徴としては、外音取り込み機能があり、ノイズキャンセリング機能がないタイプです。

収納ケースの 充電のコネクタタイプは MicroUSBです。

詳細スペック

詳細のスペックは下記になります。

■基本仕様
 ●イヤホン本体
  ・内部電池:リチウムポリマー電池 3.7V 85mAh
  ・Bluetooh規格:Version 5.0
  ・通信距離:約10m (出力:Class 2)
  ・対応プロファイル:A2DP, AVRCP, HFP, HSP
  ・対応コーデック:SBC, AAC
  ・対応コンテンツ保護:SCMS-T
  ・登録デバイス数:最大8台
  ・外形寸法:約23x19x24mm
 ●収納ケース(クレードル)
  ・内部電池:リチウムポリマー電池 3.7V 460mAh
  ・インターフェース:MicroUSB(Type-B)ポート
  ・外形寸法:約80x28x36mm
 ●充電用ケーブル
  ・インターフェース:microUSB(Type-B)コネクタ to USB(Type-A)コネクタ
  ・ケーブル長:約30cm

■動作時間
  音楽再生時間:約9時間
  充電用ケース使用時:約25時間
  充電時間:イヤホン 約1時間、ケース 約2時間

収納ケース(クレードル)を分解

それでは分解していきます。外観からはどこから分解するか分かりませんでしたが、よく見ると、ストラップをかける部分から、細いものを入れて分解できそうです。

二つの部品は シールで接着されてました。

さらに基板をケースから取り外すと基板の下からバッテリーが収納されていることがわかりました。

ケースの電池は 3.7V 460mAh のリチウム電池が確認できました。電池端には保護基板が付いており、安全に配慮されている設計です。

メイン基板を確認

取り出した メイン基板の写真になります。

基板 表

電源コネクタは MicroUSBになり、5Vが入力されます。(紫枠)

左右の緑枠が イヤホンとの接続端子です。

下のオレンジ枠は インジケータLEDで バッテリー残量を知らせてくれます。

赤枠の6ピンの半導体は 8205の印字があります。2石のNch-MOSFET です。

黄色枠で囲ったICは 印字から Eta Solutions(中国)の充電IC(ETA6986)と推測しています。このICが充電を管理しているメインICになりそうです。

この充電ICのデータシートを確認すると、リチウムイオン電池 を最大5Aで充電できるようです。
「USBバス電圧(5V)からリチウムイオン電池を充電する機能」と「リチウムイオン電池からUSBバス電圧(5V)を生成する昇圧機能」の2つの機能を有しています。

青枠の20ピンの半導体は Nuvoton Technology Corporation(台湾) の N76E003AT20 汎用マイコンでした。

基板 裏

充電ケースの回路図と動作の推測

基板に載っている部品の電気接続をテスターにて確認しました。

回路図の推定

パワーラインは充電IC(ETA6986)が担当し、マイコン(N76E003)が細かい機能を担っている感じです。マイコンは 電池残量を表示するLEDの制御や、イヤホンとの通信、各種のモード判別をしていそうです。

充電動作の推測

また、充電動作中の基板上の電圧をテスターにて確認すると、下記の動作モードで動いていることが推測できました。

① USB充電する。
USB充電されているときは、イヤホン、ケースともに充電される。

② 収納ケース内の電池 から イヤホンを充電する。
 持ち運び中でイヤホンが収納ケースに収まっているの場合、収納ケースから イヤホンへ充電されます。

③ ケースだけ充電される。(たまにある?)
イヤホンが収まっていないが USB充電したとき、収納ケース内の電池が充電される。

動作を整理すると 下記のようになります。

USB充電中持ち運び中
イヤホン収納
有り
① USBバス電圧(5V)から
イヤホンと収納ケースの電池両方を充電。
② 収納ケースの電池電圧を5Vに
昇圧してイヤホンを充電
イヤホン収納
なし
③ USBバス電圧(5V)から
収納ケースの電池を充電
充電動作なし

完全ワイヤレスイヤホン TW7000 の分解まとめ

完全ワイヤレスイヤホンの収納ケース(クレードル)を分解してみました。

収納ケースのバッテリーは 公称値どおり、1セルの リチウムイオン電池460mA。
充電管理は ETA6986 という充電ICで リチウムイオン電池を充電していた。
汎用マイコン(N76E003AT20)が搭載されており、充電以外のタスク(電池残量の表示、イヤホンとの通信、モード判別など)を行っていると推測する。

他のTWSを分解したことがないので、一般的な回路かどうかは不明ですが、かなり理に適った回路構成になっていると感じました。

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