はじめに… この記事は2020/12/20の最新モジュールまでカバーしています!
こんにちは。ハラッタ(haratta)です。
M5Stackを購入したいと思ったとき、皆様はどう製品を選んでいますか?
M5Stack関連の製品群は膨大で、スイッチサイエンスさんで取り扱っている製品を数えても200点以上あります!※2020/12/20時点
M5Stackの製品種類は豊富なのは、それぞれできることが少しづつ違ってくるからですが、いかんせん、製品の違いがわかりづらいのが正直なところです。
今回は、M5Stack沼に足を踏み入れた著者が、製品の整理と、ポイントを抑えた特徴紹介をしようと思います。
製品選びの助けになればと思います。
M5Stackと主要製品
M5Stack とは?
M5は 5cm x 5cm のマイコンモジュールが命名の由来のようです。M5シリーズのほとんどの製品に Espressif Systems社 (中国 上海) の ESP32 が内蔵されています。こちらのマイコンは Wi-Fi と Bluetooth (BLEも対応) ができ、M5Stack製品は IoTアプリケーションに適します。
CoreとAtomとは?
M5シリーズの Coreとは、名の通り、M5シリーズを動かす際にコアになるモジュールのことです。
具体例としては、M5Stack Basic, M5GO, Core2, CoreInk, M5Paper 等が該当します。
また、Core単体でも動作しますが、Coreを中心として拡張パーツを接続することが可能です。ここでいう拡張パーツは、Unit製品やApplication製品のことです。
Unit製品の具体例としては、JOYSTICK, ToFセンサ など。Application製品では、バランスロボットや Piano Board、RoberC Pro等です。
Unit製品とApplication製品はかなりの数がありますので、適宜調査が必要です。
Coreとは別に、M5Stack社から発売されている “バッテリー無しのIoTモジュール“があります。それが Atomになります。
Atom は 24x24mm サイズの超小型な ESP32マイコンを内蔵したIoTモジュールです。
現在のAtom製品は3種類(Matrix, Lite, Echo)のラインナップになっています。
主要製品(CoreとAtom)の発売年表図 と 選び方
それでは、CoreとAtom製品の説明をしたところで、M5シリーズの中核を担う Core と Atom シリーズの整理した図を公開したいと思います。
M5Stack製品の発売順にまとめてみました。横軸は時間軸です。縦軸は、モジュールサイズ基準です。上に行くほどモジュールサイズが大きくなり、下は小型の製品です。
最新のシリーズでは機能UPしているものも多いので、予算が合えば新型が良いでしょう。
ただし、最新機種は情報が少ないこともありますので、注意が必要です。
上記のマッピングがピンとこない方向けに、M5Stack選定用 YES/NOチャートを用意しました。こちらで目星をつけてみてもいいでしょう。
活用したいCore製品の目星はついたでしょうか? 以降は 製品の特徴説明になります。
Core別の特徴紹介
筆者の分かる範囲ですが、Core別の特徴を紹介していきます。
※1. 参考価格は 12/20 現在 Switch Science での価格になります。
M5Stack Basic & M5Stack Gray
予算と機能で選ぶ基本的なモジュール。カラー液晶ディスプレイ 2inch (320×240)が売りになります。
- ESP32マイコン(=Wi-Fi, Bluetooth可能)
- TFT LCD (2 inch)
- Li-ion Battery 150mAh
- Interface (押しボタンx3, スピーカー)
- Gray のみ 9軸センサ 搭載 (加速度+ジャイロ+地磁気センサ)
- TF Card スロット(SDカード)
- GROVE Port 3つ (I2C, DAC/ADC, UART)
- 参考価格. Basic: 3575円, Gray: 4290円 ※1
M5Stackといえば、この形のモジュール。Basic と Gray との差異は、9軸センサの有無になります。
M5Stack M5GO & M5Stack FIRE
M5GOは、スターターキットの位置づけで、Uintを使った電子工作を行いたい場合に向いています。FIREは M5GOの充電ベースが付属していることと4MB PSRAMが搭載されていることが特徴になります。
- ESP32マイコン(=Wi-Fi, Bluetooth可能)
- M5GO のみ Uint 6個付属。(Hub, POT, PIR, RGB, IR, ENV)
- FIRE のみ 4MB PSRAM
- TFT LCD (2 inch)
- Li-ion Battery (600mAh)
- Interface (ボタン x3, マイク, スピーカー, RGB LED x10)
- 9DoF (3軸加速度+3軸ジャイロ+3軸地磁気センサ)
- TF Card スロット(SDカード)
- GROVE Port 3つ (I2C, DAC/ADC, UART)
- 参考価格. M5GO: 8305円, FIRE: 6325円 ※1
こちらは、M5GO CHG BASE と呼ばれるベースが付属しており、充電とI2Cが可能です。充電用ベースが付属する分、Basic や Gray よりも値段が少しお高めです。
M5Stack Core2
M5初のタッチスクリーン搭載モジュールです。LCD付きタッチスクリーンを試したい方はこれ一択。機能全部のせ。機能面で困ることは無しです。
- ESP32マイコン(=Wi-Fi, Bluetooth可能)
- 8MB PSRAM
- TFT LCD (2 inch) / タッチスクリーン
- Li-ion Battery (390mAh)
- Interface (電源表示LED, 振動モータ, RTC, I2Sアンプ, スピーカー, マイク)
- 6軸IMU (3軸加速度+3軸ジャイロ)
- TF Card スロット(SDカード)
- GROVE Port 1つ (I2C)
- リリース日 2020/9
- 参考価格. 5225円 ※1
M5Stackに載る機能、全部載せになります。M5Stack Basic 発売から3年ごしのリニューアル版と言っていいでしょう。M5Stack製品の良かった部品を寄せ集めて、M5Stackに再構築したモデルです。追加機能は、タッチスクリーン、振動モータ、マイク等です。
M5Stack Basicから改善されているのは、電源管理ICであるPIMCはIP5306からAXP192とパワーアップし、ブザーがアナログ信号からデジタル信号になりました。
M5StickC & M5StickC Plus
小型パッケージにIoT機能を十二分に詰め込まれています。スクリーンサイズは小さめですが、6軸センサや赤外線LED等が組み込まれています。バッテリー内蔵なので自立動作可能。
お好みのセンサーと組み合わせれば、IoTシステムが簡単に実現。
- ESP32マイコン(=Wi-Fi, Bluetooth可能)
- TFT LCD (C: 0.96 inch, C Plus: 1.14 inch)
- Li-ion Battery (C: 95mAh, C Plus: 120mAh)
- Interface (ボタンx2, IR送信機, RTC, ブザーはC Plusのみ)
- 6軸IMU (3軸加速度+3軸ジャイロ)
- grove 互換ソケット
- リリース日 C: 2019, C Plus: 2020/8
- 参考価格. C:1980円, C Plus: 2200円 ※1
豊富な機能と価格のお手軽さから、このモジュールをお勧めすると、M5Stack沼に落ちてくれます。
M5StickC Plusは M5StickCの 完全上位互換です。LCDサイズが大きい、ブザー機能追加、バッテリー容量増加の点で M5StickC Plusの方が有利になります。
M5StickV
他のM5系とは毛色が違い ESP32を積んでおらず、Wi-Fi Bluetoothは使えませんが、k210と呼ばれるAIマイコンとカメラで 機械学習に最適です。
- RISC-V RV64IMAFDC (ニューラルネットワークプロセッサ内臓)
- TFT LCD 1.14 inch
- イメージセンサ搭載 (カメラ)
- Li-ion Battery 200mAh
- Interface (ボタンx2, LED RGBW, マイク)
- 6軸IMU (3軸加速度+3軸ジャイロ)
- TF Card スロット(Micro SDカード)
- grove 互換ソケット
- リリース日 2019/7
- 参考価格. 3872円 ※1
AIプロセッサ+カメラ+ディスプレイで、エッジAIモジュールをお手軽に実現できます。
Wi-Fiやbluetoothを使いたいときは、他のモジュールと組み合わせるか、UnitV+他のCoreの組み合わせも考えられます。
※NPU搭載の機械学習を検討するには、jetson nano 等の選択肢もありますが、値段がそれなり。M5StickVは、計算性能そこそこの、お手軽さが売りになります。
M5Stack CoreInk
2020/11 にリリースがあった最新モジュールになります。1.54インチの電子ペーパーディスプレイがメイン機能になります。
- ESP32マイコン(=Wi-Fi, Bluetooth可能)
- 白黒の電子ペーパーディスプレイ 1.54 inch (E Ink)
- Li-ion Battery 390mAh
- Interface (多機能ボタンx1, 物理ボタンx1, LED, RTC, ブザー)
- HY2.0-4P, M-BUS, HAT拡張
- リリース日 2020/11
- 参考価格. 3938円 ※1
M5Stack史上はじめての電子ペーパーディスプレイ搭載。電子ペーパーなので、低消費電力です。長時間駆動を想定してRTC完備です。M5Stack Basicサイズで、電子ペーパーディスプレイを使ってみたい方が対象。
電子ペーパーディスプレイは白黒表示で高レートでの書き換えには向きませんが、電源を切っても表示が続きます。
M5Paper
こちらも2020/11/27にリリースがあった最新モジュール。
M5 シリーズ中で現在最大サイズの画面が特徴的で、タッチ操作可能な電子ペーパーディスプレイになります。
- ESP32マイコン(=Wi-Fi, Bluetooth可能)
- 8MB PSRAM
- タッチ操作可能な電子ペーパーディスプレイ 4.7 inch (E Ink)
- Li-ion Battery 1150mAh
- Interface (多機能ボタンx1, RTC)
- 6軸IMU (3軸加速度+3軸ジャイロ)
- TF Card スロット(Micro SDカード)
- HY2.0-4P x3
- リリース日 2020/11
- 参考価格. 8800円 ※1
タッチ操作可能なモジュールは M5シリーズ中、液晶ディスプレイのM5Stack Core2 と 電子ペーパーのM5Paper のみです。
筐体が大きいのでバッテリーも1150mAとM5シリーズでは最大級。長時間運用が期待できます。
Atom別の特徴紹介
Atom Matrix & Atom lite
Matrix は LEDマトリクス表示。 Lite は RGB LED表示で最小構成が売り。
- ESP32マイコン(=Wi-Fi, Bluetooth可能)
- Atom Matrix は 5×5 Matrix LED(RGB), Atom Lite は RGB LED x1
- Interface (ボタンx2, IR LED)
- 6軸IMU (3軸加速度+3軸ジャイロ) は Atom Matrix のみ搭載
- grove 互換ソケット(PH2.0-4P)
- リリース日 どちらとも 2020/1
- 参考価格. Matrix 1397円, Lite 968円 ※1
M5シリーズ中で最小。 バッテリーなし。ボタンも最低限の2つ。赤外線LEDがあり。電源供給は他から確保する予定がある場合にオススメ。 ESP32入りなので、Wi-Fi, Bluetooth を導入したい場合に使える。
同じ小型のM5Stickシリーズと比較すると、入出力ポートが多く 6ピンが利用できます。(M5StickCは3ピン)
Atom Echo
Echo は スピーカーとマイク搭載で、スマートスピーカーが実現できることがコンセプト。
- ESP32マイコン(=Wi-Fi, Bluetooth可能)
- スピーカー + マイク
- Interface (ボタンx2, IR LED x1, RGB LED x1)
- Grove 互換ソケット(PH2.0-4P)
- リリース日 2020/6
- 参考価格. 1265円 ※1
想定アプリケーションがスマートスピーカー用途なので、GPIOは実質2ピンのみ使用可です。(他4ピンはスピーカーやマイクと共用ピン。)
GPIOは期待しないで使うことが前提になりそうです。
最後に…
Core製品とAtom製品をまとめてみました。M5Stack製品選びの助けになればと思います。
本ブログでは、M5Stack中心に電子工作やプログラミング全般について取り扱っていきます。よろしければ他の記事も見ていってください。
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